2017.10.17

国連UNHCR難民映画祭・講演会を開催しました

 摂南大学は、教養特別講義「グローカルな視点から異文化共生を考える」およびブランディング事業「グローカル共生研究」プロジェクトとの共催で、大学祭期間の10月9日、「国連UNHCR難民映画祭―学校パートナーズ参加イベント」を寝屋川キャンパス・プチテアトルで開催しました。同教養特別講義や国際人権法の受講学生、ラグビー部員など約120人が出席。このほか、15人の学生スタッフが司会・進行、署名依頼活動などのイベント運営を担当し、みんなで映画を見ながら難民・移民問題について考える一日となりました。

 八木学長の開会挨拶の後、第1部は「ナイス・ピープル」(2015年スウェーデン)を上映しました。内戦を逃れ、スウェーデンの田舎町ボーレンゲで暮らすソマリア難民の青年たちが、地元住民との交流が希薄な中、「バンディ」という伝統的な氷上スポーツの世界選手権への挑戦を通じて、自分たちの居場所を見つけようとするドキュメンタリーで、特にアスリート学生たちは感じるところがある様子でした。

 第2部の講演会では、ゲスト講師として国連UNHCR協会理事長で東洋英和女学院大客員教授の滝澤三郎氏が「難民・移民問題:世界の現状と日本~なぜ人は国境を越えるのか、私たちは何ができるのか~」をテーマに講演しました。滝澤氏は、世界で増え続けているシリアなどの難民(2016年2100万人)と国内避難民(同4000万人)、その受け入れ国(トルコ、EU諸国など)で起きている政治・国際問題の現状と構造を分かりやすく解説。一方で、東南アジア諸国から日本への難民申請が1万人以上いるにもかかわらず、認定者数が数十人程度と少ない原因を分析し、日本にできることは何か、問題提起しました。最後に、学生たちに向かって「自分にできることは何か?なぜ?と常に問い続けましょう。異質な人々との出会いを積極的に求めてほしい」と熱いメッセージを贈りました。

 閉会の辞で、教養特別講義受講生の一人、金子聖君(外国語学部4年)が、「例えばユニクロの各店舗では、古着を集めて、発展途上国や難民居住地に送る活動をしているのをご存知でしょうか。わたしたち学生にでも協力できることがあります」と語り、会場は温かい拍手に包まれました。