2020.09.17

21世紀科学研究センターの技術が融合! 新型コロナウイルスの新たな抗原検査法の開発へ―本学教員の研究課題がAMED「ウイルス等感染症対策技術開発事業」に採択―

大阪府立大学 理学系研究科 物理科学専攻 教授/LAC-SYS研究所 所長 飯田 琢也を研究開発代表者とする研究課題が、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)による令和2年度 「ウイルス等感染症対策技術開発事業」に採択されました。

新型コロナウイルスの抗原検査に用いられるイムノクロマト法は、PCR法と比較して簡便な操作で短時間に実施できる反面、抗原抗体反応に基づく測定感度は十分なレベルではなく、動物に免疫して作製される抗体の性能に依存するなど改善が難しい根本的な課題が存在します。

そこで本研究では、「大阪府立大学 21世紀科学研究センター LAC-SYS研究所(飯田所長、床波副所長)の光濃縮デバイス」と「大阪府立大学 21世紀科学研究センター ケミカルバイオロジー研究所(藤井所長)の分子標的ヘリックス・ループ・ヘリックス(HLH)ペプチド」という2つの独自技術を融合することでその課題を解決し、超高感度かつ1ステップ操作での画期的な診断法の開発をめざします。

レーザーによる光誘起力と光誘起対流の相乗効果により、生体サンプルを「光濃縮」し反応速度を著しく加速することで数時間単位の検出を数分単位にまで高速化できます。また、「分子標的HLH ペプチド」は新型コロナウイルスに結合する抗体の代わりとして、特異的で高感度な検出を可能にします。外国から抗体を輸入する必要がなく、国内で化学合成できるため非常時でも問題なく調達できます。

大阪府立学を代表するこれら2つの技術を融合することで、高速・高感度な新型コロナウイルスの抗原検査法を開発します。LAC-SYS研究所ではスマホと同程度のサイズのポータブルデバイス化をめざすことで、小さなクリニック、ドライブスルー検査所、空港などどこでも簡便に診断できるよう研究開発を進めていきます。

なお、 本研究はSDGs17の目標のうち、「3:すべての人に健康と福祉を」、「11:住み続けられるまちづくりを」等に貢献しています。

 

詳細は以下のWebサイトからご確認ください。
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)Webサイト