2020.09.17

ケイ素化合物の循環システム構築の鍵となる 革新的触媒技術の開発―これまで不可能とされてきたケイ素化合物のリサイクル技術の実現に前進―

大阪府立大学 理学系研究科 亀尾 肇 准教授、松坂 裕之 教授、トゥールーズ III ポール・サバティエ大学 Didier Bourissou 教授の研究グループは、パラジウムまたはニッケル分子性触媒とLewis 酸の協同効果を鍵とすることで、最も強固なケイ素‒フッ素結合とされているフルオロシランの触媒的な変換に世界で初めて成功しました。

ケイ素にはフッ素などの電気陰性な原子との間に強固な結合を形成する特性があります。そのため、ケイ素化合物は高耐久性、高耐熱性の高さが求められる半導体や医療素材などで使用されています。一方で、強固なケイ素‒フッ素結合を変換する技術は乏しく、リサイクルが困難とされてきました。最も強固なケイ素‒フッ素結合を変換する本技術は、ケイ素化合物のリサイクル技術への応用が期待されており、さらにはその循環システム実現のための基礎技術となります。

本研究はSDGs17 の目標のうち、「9:産業と技術革新の基盤をつくろう」等に貢献しています。

なお、本研究成果は、2020 年7 月24 日に米国化学会誌であるJournal of the American Chemical Societyのオンライン速報版で公開され、カバーピクチャとしてハイライトされました。

論文タイトル「Fluorosilane Activation by Pd/Ni→Si–F→Lewis Acid Interaction: An Entry to Catalytic Sila-Negishi Coupling」

 

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