2020.08.21
本学教員の研究課題がAMED「創薬基盤推進研究事業」に採択―低分子化合物の新しい設計法の開発をめざして―
大阪府立大学 理学系研究科 生物科学専攻 藤井 郁雄教授の研究課題が、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(以降AMED)による令和2年度「創薬基盤推進研究事業」に採択されました。
抗体医薬は、疾患に関連するタンパク質の相互作用を遮断することで有効性を示す医薬品です。しかし、その製造には遺伝子組み換え技術や細胞培養技術を必要とするため生産コストや治療費が高くなります。また、胃で分解されてしまうため飲み薬にはできず、病院で点滴を受ける必要があります。一方、化学合成で容易に製造できる低分子医薬品は、生産コストや治療費も安く、胃で分解されないので飲み薬にもできます。しかし、低分子医薬品で疾患関連タンパク質の相互作用を遮断することは大変困難で、製薬企業でもそのような化合物を設計することはできていません。
本研究では、独自の技術を用いて新しい低分子医薬品設計法の開発をめざします。これまでに、藤井研究室では疾患関連タンパク質の相互作用を遮断するペプチド医薬の設計法を確立してきました。このペプチド医薬の部分構造情報を活用して、化学合成可能な低分子化合物を理論的に設計します。抗体医薬の弱点をすべて克服できるため、今後の医薬品開発に大きなインパクトを与えるものと期待されます。
なお、 本研究はSDGs17の目標のうち、「3:すべての人に健康と福祉を」等に貢献しています。
詳細は以下のWebサイトからご覧ください。
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)Webサイト
最近の記事
-
2022.03.31
植物が紫外線を波長ごとに感じ分けているということを解明 -
2022.03.31
本学教員の分子標的中分子ペプチド創出の支援がAMED 令和4年度「生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)」に採択 -
2022.03.31
本学教員の論文が日本航空宇宙学会で論文賞を受賞 -
2022.03.31
食の安全を守る基盤研究! 新種の食中毒細菌が食品を汚染する経路を確認 -
2022.03.31
脳損傷後に生じる手の麻痺を回復するためのロボットを用いた適切な治療方法を発見―新時代のリハビリテーションを創造―