2020.08.21
全固体電池実用化の鍵となる革新的な正極材料を開発―低融性のリチウム塩を用いた非晶質化によって酸素の酸化還元を伴う大容量充放電を実証―
大阪府立大学大学院 工学研究科 物質・化学系専攻の作田 敦 准教授、長尾 賢治 博士(当時 博士後期課程学生)、林 晃敏教授、辰巳砂 昌弘学長らの研究グループは、大容量のモデル正極活物質であるルテニウム酸リチウムに低融性リチウム塩である硫酸リチウムを添加して酸化物系正極活物質を非晶質化することで、全固体電池の高エネルギー密度化に有用な正極材料を開発し、世界で初めてバルク型(粉末成形型)の全固体電池において酸素の酸化還元を利用した大容量充放電を実証しました。
従来の全固体電池は固体電解質を大量に混合する必要があり、エネルギー密度が低下する要因になっていましたが、本研究では固体電解質がない状態で大容量充放電が可能であることを証明であり、全固体電池のエネルギー密度(容量)の向上において革新的な材料開発につながります。また、次世代の電池用の正極材料にも適用可能と考えられ、次世代全固体電池の実用化に向けた研究開発を大きく加速させるものと期待されます。
なお、本研究成果は、2020年6月20日に米国科学振興協会(AAAS)が刊行する学術雑誌「Science Advances」にオンライン掲載されました。
論文タイトル「A reversible oxygen redox reaction in bulk-type all-solid-state batteries」
詳細は以下のWebサイトからご覧ください。
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