2012.09.02

国連持続可能な開発会議(リオ+20)に向け「持続可能な成長に向けて中央大学の先導的な取り組み」を宣言しました

 

2012年6月、ブラジルのリオデジャネイロで「国連持続可能な開発会議:私たちが望む未来」(略称:リオ+20 下記注参照)が開催されました。本学では、リオ+20に向け「持続可能な成長に向けての中央大学の先導的な取り組み」を宣言しました。

http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/news/contents_j.html?suffix=i&topics=17276&mode=dpt

(日本語での宣言)http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/unai/pdf/20120620_01_t2.pdf

(英語での宣言)http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/unai/pdf/20120619_01_t1.pdf

持続可能な成長に向けての中央大学の
先導的な取り組み

「リオ+20」国際会議に向けて

現在と将来の取り組みについての公約

「安全な水」を持続的に享受できることは、人類と地球の将来にとって避けて通ることのできない関門です。同時にこれは、一つの観点からだけではなく、
(a) 人間の生命に必須の物質としての上質で安全な水
(b) 人間の活動に必須の資源としての水の管理、供給、消費、リサイクル
(c) 自然環境をつくる重要な要素としての水と洪水対策や砂漠の緑化
(d) 地域間・国家間の政策の対象となる水圏(河川、湖沼、沿岸、海洋)の管理
など、多数の視点から融合的(トランスディシプリナリー)に取り組むべき課題です。

中央大学では、上記のような課題にグローバルスペシャリストとしてトランスディシプリナリーに取り組んで行ける「持続可能社会のための高度な水環境・水処理技術者の育成」プログラム(国際水環境理工学人材育成プログラム)を理工学研究科で強力に推進しています。このプログラムは、国連アカデミック・インパクト(United Nations Academic Impact,UNAI)の文脈のもとで進めており、また、文部科学省の支援を受けて進めているナショナルプロジェクトでもあります。

中央大学の国際水環境理工学人材育成プログラムには、高度な技術教育だけではなく、各国の歴史・文化・風土を尊重する国際的な視野を持ち、技術にも行政にも通じた水環境・水処理技術者となるための特色のある教育カリキュラムを用意しています。

カリキュラムは、具体的には、国際的な水環境・水処理技術者に期待される知識・技能を体系的に学ぶための講義・演習・実験・インターンシップ・研究論文などから構成されています。特に、実践的な能力を修得させるために、産業界で活躍する技術者を招いての講義や、産業界と協力して実施する実験も含まれています。このような教育を行うため、工学・生物学・環境法・環境経済など多面的な教育を、全学的な協力のもとに進めています。

国際水環境理工学人材育成プログラムにより、水環境に関する施策の立案・遂行に十分な能力を発揮できるグローバルスペシャリストを多数育成し、東アジアや世界に向けて送り出します。毎年75%の卒業生が、国際水環境技術分野での指導的な地位で活躍する人材の候補生として巣立っていけるようにします。

取組成果の年次公表

中央大学理工学部・理工学研究科は、国際水環境理工学人材育成プログラムの進捗の紹介や、水環境に関する研究・水環境の持続的な開発についての国際的な討論のためのシンポジウム・研究集会をアジアおよび日本国内で定期的に開催します。

(1) 文部科学省への年次報告はウェブサイトなどでも公開します。
(2) 水環境などに関する教育・研究ネットワークの会合(産業界や公的機関からも参加)を年に5回程度開催します。
(3) 日本やアジアに共通する水に関連する多様な話題や、最新の教育成果・研究成果を総合的に討論するため、毎年、海外で国際シンポジウムを開催します。このようなシンポジウムにより得た知見を、さらに国際水環境理工学人材育成プログラムに反映させ、教育内容を発展させます。すでに、2011年3月には中国・清華大学、2012年3月には中国・中山大学で国際シンポジウムを開催しました。今後は、韓国や他のアジア諸国での開催も計画しています。

(*) 教育研究ネットワークの会合や国際シンポジウムの開催レポートは下記のサイトで公開しています。
http://global.chuo-u.ac.jp/english/iwee/

取り組みの目標と年次進行計画

2012年~15年にかけて、毎年、留学生を含む25名の大学院生を修了させる予定です。海外からの留学生は計100名を予定しています。

5年の内に、水環境とその持続可能性を主たる教育研究のテーマとするコースを理工学研究科に発足させる計画です。発足後は、下記の分野を専門とするグローバルスペシャリストとして、毎年25名の大学院生を修了させる予定です。

(1) 水環境の専門家: 水環境生態工学、河川・湖沼の水物質循環工学、多自然型川づくり、湿地再生
(2) 水処理の専門家: 水処理、上下水道、都市水代謝、水環境工学、水ビジネス、エコトイレ
(3) 利水の専門家: 低水管理、衛星リモートセンシング技術、水文気象工学、流域水資源統合管理、農業利工業用水管理
(4) 治水の専門家: 洪水防御、低平地水災管理、CommonMP シミュレーション、水辺の都市計画

関連する取組・協力機関など

本プログラムは、国連アカデミック・インパクト(United Nations Academic Impact,UNAI)の文脈のもとで進めています。

2009年10月の日中韓3国首脳会談に引き続いて、文部科学省が「日中韓3国の高度職業人養成プロジェクト」を発足させました。現在は形を変えて、「キャンパスアジアプロジェクト」として、文部科学省からの支援を受けています。

2011年に、本プロジェクトの遂行のために、国際コンソーシアムが設立されました。
中国からの参加校:清華大学、河海大学、中山大学、四川大学、上海交通大学、北京師範大学、大連理工大学。
韓国からの参加校:仁荷大学、全北大学、嶺南大学。そ
の他の国からの参加校:ベトナム・水資源大学。

実務的な教育は産官学にまたがるコンソーシアムである「チーム水・日本」の全面的な協力を得て進めています。
http://www.waterforum.jp/twj/