2017.12.21

国連本部にて、SDG10達成に向けた「協力者カミングアウト」を提案

2017年12月1日(金)、国連ニューヨーク本部で開催された国連「災害や紛争時の障害者の権利に関するパネル・ディスカッション」に、東京大学医学部3年生の飯山智史さんと工学部3年生の町田紘太さんが招待され、文化・芸術を通して国連持続可能な開発目標(SGDs)の達成を目指す「東京大学EMPOWER」の活動を紹介しました。

国連経済社会局が開催したこのパネル・ディスカッションでは、障害者権利条約の起草プロセスを取りまとめたルイス・ガジェゴス元エクアドル国連大使の司会のもと、UNICEFや世界銀行、非政府組織の代表が参加。この様子は世界に同時中継されました。

(映像(2時間19分11秒から)はこちら

東京大学EMPOWER」は、東京大学の教員と学生が発端となり、シンボルマーク「マゼンタ・スター」を身につけることで、「協力が必要な時は、お声を」という気持ちを表明する「協力者カミングアウト」を推進する、SDG目標10達成のための国際プロジェクト。国連ニューヨーク本部にて集中講義を行う全学自由研究ゼミナール「国連と文化」受講生を中心に結成された学生団体「UNiTe」のメンバーを中心に、教養学部・総合文化研究科教養教育高度化機構国際連携部門のプログラムの一環として、電通ダイバーシティ・ラボの協力のもと、活動しています。

今回の発表では、国連が提唱する障害の「社会モデル」に基づき、2020年東京オリンピック・パラリンピックでの「おもてなし」と、SDGsが目指す「誰一人取り残さない」社会の実現のために、交通機関や街の「物理的」アクセシビリティーの向上に加え、社会を構成する一人一人の「態度」や「行動」のアクセシビリティー向上を目指す必要があるとして、「東京大学EMPOWER」の活動を紹介。これまで一般的であった、妊産婦、障害のある方、高齢者等の「当事者」がマタニティマークやヘルプマーク等をつける「当事者」カミングアウトに加え、自分の状況を表明したくない方や、「バスで席を譲りたいが、声をかける勇気がでない」方たちのニーズも鑑み、逆転の発想として、個人の属性に関わらず、「協力者」がカミングアウトを行う「みんなの違いが力になる社会作り」を提案し、インクルーシブでアクセシブルな世界の実現に向けた連携を呼びかけました。

「東京大学EMPOWER」は、UNiTeのメンバーに加え、パートナーと共に、11月19日(木)に東京ミッドタウンDesign Touchにてレゴを使ったワークショップを行った他、11月25日(土)・26日(日)に開催された東京大学駒場祭では「マゼンタ・スター」のバッジやステッカーを作成するイベントを通して700人を動員、12月18日からは駒場キャンパスにてユニセフ・ウィークを実施しました。募金活動の他、駒場キャンパスの正門前をUNICEFカラーである青と、EMPOWERのシンボル・カラーであるマゼンタの灯篭でライト・アップしました。

「東京大学EMPOWER」は、今後も、電通ダイバ-シティ・ラボ、国連職員、アーティスト、そして世界中の若者や新しいパートーナーとも協働し、SDGsの達成に向けて、活動を続ける予定です。