2021.03.31

NexTEP成果で装置開発に成功、接ぎ木苗を安定かつ大量に生産可能に!

本学URAセンターのコーディネートをもとに採択された科学技術振興機構(JST)産学共同実用化開発事業(NexTEP)課題「自動選別型ナス科接ぎ木苗の工場的生産システム」の事業(予算 5年間 3億5千万円)について、生命環境科学研究科 西浦 芳史准教授らの研究成果をもとに事業化開発が進められていた内容および事後評価結果が、このたびJSTのWebサイトで公表されました。学術面ではこの成果を含めて、日本農業工学会フェロー賞を受賞しました。

この開発事業によって、世界的に需要が高まる接ぎ木苗を安定かつ大量に、土壌消毒剤を使用しないで生産することが可能になりました。安全、安心な食糧の高効率な生産を可能とする本開発技術は、SDGsの目標に合致します。

これまで接ぎ木苗の生産には耐病性と収量増加が望まれ、熟練の技術を必要としていました。本開発技術は接ぎ木苗の生産に大きな変革をもたらし、共同研究及び実施企業である日下部機械株式会社の製造した中核となる装置(以下、本装置)は、国際商談で好評を博し、比較的安価な半自動機をイタリアに20台出荷、デモ機の要望がイスラエル、スペイン、米国、南米等の世界中の企業から届いています。

本装置については、関連する生産システムで欠かせない装置等を含め、本学 知的財産マネジメントオフィスの助力をもとに、国内での特許および意匠を取得しました。また、欧州、米国、アジアを中心に国際特許の取得を進め、そのうち2件の国際特許はJSTの補助を受けています。

今後は、ナス科以外の接ぎ木苗にも対応し、接ぎ木サイズのバリエーションを広げ、さらに多くの生産者への供給と自動機の生産をめざして、産学連携による研究開発を進めていきます。

本研究はSDGs17のうち、「2:飢餓をゼロに」、「12:つくる責任 つかう責任」に貢献しています。

詳細は以下のWebサイトからご覧ください。
https://www.osakafu-u.ac.jp/news/nws20210305/