2021.03.30

国連アカデミックインパクト参加大学 2020-2021年活動報告書

2020-2021年、神戸市外国語大学は、国連アカデミックインパクトとその理念に貢献する数々の活動を行った。後述する取り組み事例は、いずれもとりわけ注目に値するものである。

1.サステイナビリティ/グローバル・シチズンシップ

模擬国連大会

神戸市外国語大学は、3つの模擬国連関連科目を開講し、ローリー・ゼネック西出教授、立木ドナ教授、マイケル・ホリンバック准教授の指導の下、学生が2つの模擬国連大会に参加した。

1.1 第一に、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年3月29日から4月2日にかけて開催される予定であった模擬国連世界大会ニューヨーク大会は中止となった。同大会で、神戸市外国語大学の学生代表チームは、ドイツのウェストファーレン応用科学大学と合同で、アルゼンチン共和国外交団を結成する予定であった。学生は外交団として、「国連総会第一委員会」「国連総会第二委員会」「人口開発委員会」「核不拡散条約再検討会議」「世界食糧計画」に参加する予定であり、準備を進めていた。大会は中止となったものの、「核不拡散条約再検討会議」に参加予定であった椛山美生及び中川里奈、ならびに「世界食糧計画」に参加予定であったヒキタ・キーシャ・ロレーヌ・サントーヨ及び岩部ほのかの政策提案文書がそれぞれ「政策提案文書優秀賞(Outstanding Position Paper Award)」を受賞した。

1.2 第二に、2020年に神戸市外国語大学で開催される予定であった模擬国連世界大会神戸大会(NMUN KOBE 2020)は、新型コロナウイルス感染症の影響により、2022年に延期となった。しかしながら、同大会の学生事務総長椛山美生及び事務総長補佐永尾崇晃が、変革の担い手となり、グローバル・シチズンシップを包含する模擬国連世界大会2020神戸大会を率いるための計画・準備を2016年から行ってきたこと、また平和と軍縮に焦点を当てた2人の精力的な取り組みが、国際連合事務次長・軍縮担当上級代表である中満泉氏に称賛された。椛山と永尾は、国連75周年を記念して2020年神戸大会のテーマを「平和」と定め、原爆投下75周年にあたる同年においては、核セキュリティを再検討することが同大会の最優先事項であるという信念のもと、同大会における4つめの会議に核不拡散条約再検討会議を選出した。議題は、以下の通りである。

1) 核不拡散条約第6条の実用的対策
2) 核セキュリティに関する対策の強化

1.3    第三に、神戸市外国語大学と京都外国語大学の共催で多数のオンラインプラットフォームを用いて開催された第11回「日本大学英語模擬国連大会(JUEMUN)」への参加である。同大会は、2020年5月24日から6月28日の日程で、国連創立75周年を記念して開催され、日本とマレーシアの14の大学から136名の学生が参加した。神戸市外国語大学からは、28名の大学院生・学部生及び1名の卒業生が参加し、事務次長、議長、議長補佐、大使の役を務めた。JUEMUN2020では、「女性の地位委員会(CSW)」において、女性のエンパワメントを議題として掲げ、3つの議場に分かれて議論を行った。同大会では、以下のトピックに基づき12本の決議が作成された。

1)    農村部の女性
2)    家事労働者と移民
3)    高い技能を持たない女性
4)    女性管理職

1.4    神戸市外国語大学が主催した2つ目の会議が、オンライン国際模擬国連大会(IMUNO)である。同大会は、2020年10月23日から25日の日程で、神戸市外国語大学とドイツ国連協会ノルトライン・ヴェストファーレン支部により共同開催され、日本、ドイツ、オーストリア、レバノンから学生がオンラインで参加した。同大会は、事務総長の椛山美生、事務総長補佐の永尾崇晃と、議長である地福春香、中出結によって率いられた。安全保障理事会における議題は「武力紛争下における文民の保護」であり、3つの決議案が採択された。また、同大会において、国連75周年を記念すべく、参加者によるビデオメッセージが作成された。

2. 異文化間対話の促進

2.1  2020年8月24日、ローリー・ゼネック西出教授は、神戸市外国語大学の学生に向けた90分間のNPO/NGOに関するセミナーを開催し、現在の世界における問題やより良い未来に向けた議論を行った。国連から事前に与えられた6つの質問から導き出した提言や提案は、75周年における今後のプログラム、イニシアチブ及び活動を鼓舞するため国連に送られた。

2.2  2020年11月17日、エリトリア人難民であり、早稲田大学の博士課程に在籍するDesale Tesfamariamが「日本における難民」と題した講演を行った。この講演は、ローリー・ゼネック西出教授が主催し、神戸市外国語大学の学生及び教職員を対象にオンラインで行われた。

2.3  2020年12月12日、前村奈央佳准教授とローリー・ゼネック西出教授のゼミ生が、SIETAR Japan Kansai Chapter (異文化コミュニケーション学会関西支部) 主催の第8回SIETAR Student Fairに参加した。学生らは、「神戸における難民申請者へのNGOの援助」「障害を持つ子供たちへの教育的支援」「日本におけるフェアトレード」「対面授業とオンライン授業」「日本における少数者」というトピックでプレゼンテーションを行った。

(翻訳:国際関係学科 椛山 美生)